SPECIAL INTERVIEW
はっとり
(マカロニえんぴつ)
今年、デビュー10周年を迎えるマカロニえんぴつ。去る6月14、15日には、その集大成として横浜スタジアムでライブを開催。2日間で計5.5万人もの観客を集めた。その熱狂ぶりを見るにつけ、改めて彼らの10年の厚みを感じずにはいられない。そして、記念すべき年を祝うべく発表されたのがNANO universeとボーカル、はっとりとのコラボコレクション。昨年から"music from NANO universe"と銘打ち、日本屈指のライブハウスで知られるBillboard Liveと共同でイベントを開催してきたNANO universeとの初邂逅である。7月末にBillboard Live大阪と東京でライブも開催された。そんなコレクションやライブの話も含め、これまでの10年、そしてこれからの10年について話を聞いた。
葛藤を抱えながらも前進し続け
たどり着いた10年という節目
浮つくこともなければ感慨にふけることもない。それはインタビューに臨む姿や言葉の節々からも伝わってくる。まさに泰然自若といった様相だ。彼の中で10年という節目は、周りが思っているほどウェイトを占めていないのかもしれない。それは、謙遜と向上心のダブルミーニングな想いが見え隠れする「まだまだ」という言葉からも推察することができる。

「10年を振り返ると、メンバーもやっていることも一緒なのでそんなに長くは感じないですね。わりとあっという間というか。レコーディングをして、アルバムを出して、ツアーをしてと、ロックバンドはやることが決まっていますから。まあ、規模感が大きくなっていることは実感しますが、まだまだだと思います。とはいえ、聞いてくれている人がいるおかげでそれを繰り返しできている。そこはもう感謝しかないですね」
あっという間と表現するものの、10年はそんな簡単な数字ではない。さらに話を進めると、やはりこれまでの歩みの中で思うところもあったようだ。


「バンドを組んだ頃から、漠然と売れたい想いはもちろんありました。ただ、いつまでにどのキャパをクリアして、じゃあそれができたらその次はここを目指して、みたいな明確なビジョンは持っていませんでしたね。目の前の自分たちのスケール感を段階的に乗り越えていく感じ。2019年以降は、ライブに足を運んでくれるお客さんの数も急激に増え、それによって過ぎ去る時間が早く感じるようになりました。むしろ、そこに辿り着くまでが長かった。2012年に結成し、2017、8年ぐらいまでは自分が想像していたよりもバンドとしての歩むスピードが遅いというか、ちょっとスベっている感じがして。あんまり世間の音楽シーンの中にハマれていないのかもな、みたいなもどかしさを抱えながらやっていましたね」



自身のパーソナリティを落とし込んだ
至極ふたつのセットアップ
バンドの知名度が増すごとに周囲の環境は大きく変わった。ライブ会場の大きさに比例して関わる人たちの数も増え、多くのCMやテレビ番組などで曲がひっきりなしに流れるようになった。それもあり、10年の月日の中でバンドとしての変化もどこかで感じているのかと思っていたら、意外な答えが返ってきた。


「イメージとしてこういう音楽をやりたいのにどうも演奏が追いつかないだとか、どうやったらこういう雰囲気の音やアレンジを出せるのかとか。最初はできないことだらけでしたけど、自分たちなりに噛み砕いて、「ああ、これこれ」と納得しながら表現できるようにはなってきたと思います。具現化する力みたいなものは備わってきたのかなと。でも、歌うときのモチベーションとか思い描くロック像みたいなもの、あとは好きな音楽もやりたい音楽もそうですけど根っこの部分は変わっていない。生き様が見えるステージが一番格好いいと思っていますし、今でも掲げている目標。おそらくそれは、どれだけ追求してもクリアできない目標でしょう。毎回、終わった後はもうちょいできただろう、余計なことを考えてフィジカルじゃない部分に頼っちゃったなとかそういう反省はあるので。でも、だからこそライブは楽しいですよね」

そのスタンスは、おそらく先に行われた横浜スタジアムでのライブも同様だろう。そして、今回10周年記念ということで、NANO universeとのカプセルコレクションでリリースされたアイテムが先日発表された。その出来栄えに本人も納得のご様子。

「やっぱり30歳を超えてきたので、そろそろこういうデニムが似合う男になりたいと思っていました。出来上がりを見て、僕の中ではしっくりきていますね。パンツの形なんて特に気に入っています。すごい、今の自分に合っているな〜って感じがしますね」
今回はデニムのセットアップと、ジャカード織りを落とし込んだコーチジャケット&ボトムスのセットアップをラインナップ。彼をイメージして製作したアイテムに、「恐縮です(笑)」とはにかみながら、テンションを上げさらに言葉を続ける。


「たしかにセットアップはステージでも着ることは多いんですよ。こちらの総柄のセットアップも、袖を通していきなり“自分っぽいな”って思いましたから。デニムとジャカード織と、対照的な二着っていうのもいいですよね。気分に合わせて着たいなって思いますし、ぜひ多くの人に手に取ってほしいですね」
SPECIAL INTERVIEW



マカロニえんぴつ
2012年はっとり(Vo/Gt)を中心に神奈川県で結成。
メンバー全員音大出身の次世代ロックバンド。
はっとりのエモーショナルな歌声と、キーボードの多彩な音色を組み合わせた壮大なバンドサウンドを武器に圧倒的なステージングを繰り広げる。
2019年に開催された初の全国ワンマンは追加公演を含む全公演がSOLDOUT。
全国の夏フェスでは各地入場規制に。2020年11月4日、TOY'S FACTORYよりメジャーリリースし、その後もアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」や、「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」の主題歌に決定し快進撃を続け、自身初となる全国ホールツアーのファイナル公演として開催された横浜アリーナ公演が即日完売となる。
2021年11月に配信リリースした「なんでもないよ、」は各配信サイトのサブスクチャートにて1位を獲得。「第63回 輝く!日本レコード大賞」で最優秀新人賞を受賞し、翌年は優秀作品賞にも選ばれ2年連続の受賞を達成!
バンド結成10周年を迎えたツアーでは、日本武道館、大阪城ホール、さいたまスーパーアリーナとそれぞれ2DAYSで開催し完売させ、2023年には自身初となる全国アリーナツアーを開催し全公演SOLD OUT!
2025年にはデビュー10周年を迎え、横浜スタジアム2DAYSを開催しSOLD OUT!
今最も目が離せない注目のロックバンド。